Category 一般歯科
根管治療について その1

根管治療が失敗する10の理由 

もし根管治療を必要とする何百万人もの人々のうちの1人であるならば、あなたはこの治療に伴うであろうリスクとトラブルについて知っておくとお役に立つかもしれません。

毎年世界中で治療されている無数の歯のうち、そのうちの一部は抜歯が必要になってしまいます。根管の構造は歯の種類によって異なり、非常に複雑です。

この記事では、失敗につながる多くの要因があることを知ることができると思います。研究論文によると、根管治療の行われた歯牙の2.5〜5%が失敗していると記述されています。我々歯科医師は問題を認識し、理想的な結果ににならないリスクを患者様にお知らせする必要があります。

理由その1:根管内で器具が折れてしまった

Root Canal Treatment - Broken File

私たち歯科医師は根管治療を行う際に細く繊細な器具を用います。根管内を清掃中にファイルと呼ばれるヤスリ状の器具が意図せず破折してしまうことは根管治療中に起こりうる偶発症の1つです。これは回転して作用させる器具を細い根管に使用している際に起こります。不幸なことに、この事象は治療の失敗に直結してしまうことがあります。

もし根管が綺麗になってから、根管形成のプロセスにおいて器具の破折が起こった場合は、根管内に残置された破折器具を除去せずとも密閉して細菌が侵入してこないように密閉してしまえばその後良好な経過を辿ることがあります。

もし器具が破折したときに、まだ根管内にが綺麗になってない場合は破折した器具を除去することが目標になります。汚染されている根管に器具を到達させて洗浄、清掃をするためです。

もし取り出すことができない場合は、歯根端切除術と言って歯の根の先端を外科的に切除する治療法を行うことがあります。

また研究論文でも汚染された根管の中に破折器具を残置してしまった場合は予後が非常に悪いことが示唆されています。

ところでファイルや他に器具が破折するのは例外的なことでしょうか?
彎曲した根管や非常に細い根管において例外的に起こります。このようなリスクがあることを治療が始まる前にお知らせする必要があります。これらのアクシンデントは起こりますが、リスクを軽減するための予防策もあります。その中には、ファイルの曲げ角度を減らすための特殊な成形器具の使用も含まれています。またニッケルチタンファイルなど高度に破折抵抗性を有する物もあります。

最後に、破折する一番大きな理由は何度もファイルの再利用を繰り返すことにあります。ファイルの繰り返し再使用は意図的による場合と使用回数を把握していない場合がありますが、いずれにせよファイルという器具は一定の使用回数を超過したら廃棄して新しいものが常に使えるようにクリニックので使用回数をチェックするべきものなのです。

理由その2:根管の消毒と機械的な清掃が不十分だった

Root Canal Treatment - Cleaning File

根管治療の目的は、壊死した組織または部分的に壊死した組織をきれいにし、すべての細菌を破壊し、根管内を殺菌することです。

壊死組織を取り残したり、さらに悪いことにより多くの細菌が侵入して根管を汚染してしまうと、根管治療の失敗を招く可能性があります。

幸いなことに、歯科領域では、根管内を実質的に殺菌する方法があります。 3つの基本的な手順ステップがあります。最初の重要な方法は、細菌の侵入を防ぐためにラバーダムを使用することです。
ラバーダムは古くから行われていますが、根管治療の成功率を良くするように大変革した器具として多くの歯科医に認知されています。それなしでは、唾液は根管系に容易に浸透します。根管治療の施術中に、ラバーダムを装着せずに一度でも口を閉じてしまうと、数百万の細菌が根管に侵入する可能性があります。

Root Canal Treatment - Rubber Dam

次の手順は効果的で安全な薬液を使用することです。私たちはEDTA3%次亜塩素酸ナトリウムで根管内を消毒しています。

これらの様々な薬剤と手法によって根管を消毒して壊死組織を洗い流します。そして目標は、根管の末端まで一貫した洗浄を行うことにあります。

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